相続・遺言の相談事例
元気なうちだからできる準備を、事例から整理します。
相続について相談した方がよいのか、
遺言を作った方がよいのか、
自分では判断しにくいという方は少なくありません。
実際の相談では、
「今起きている相続の問題」と
「元気なうちにできた準備」
がつながっていることが多くあります。
例えば、
相続が発生してから
「もっと早く遺言を作っておけばよかった」
と分かるケースもあれば、
今のうちに家族関係や財産を整理しておくことで、
将来の負担を減らせるケースもあります。
このページでは、
相続や遺言について実際によくある状況を取り上げ、
それぞれについて、
「何が問題になるのか」
「相続が始まった後はどうするのか」
「元気なうちなら何を準備できるのか」
という視点から整理します。
ご自身やご家族に近いケースがあれば、
今後の準備を考えるきっかけにしてください。
ご相談の段階で、
「これは相続の相談なのか」
「遺言を作ればよいのか」
をご自身で判断していただく必要はありません。
当事務所では、
まずご本人やご家族の状況を確認し、
今起きている問題と、将来に向けた準備を整理する
ことから始めます。
そのうえで、
相続手続きが必要なのか、
遺言作成を検討した方がよいのか、
あるいは今は特別な手続きをせず様子を見てよいのかを
一緒に考えます。
同じように見える家族でも、
相続人の構成や財産内容によって必要な対応は異なります。
ご自身に近い事例があっても、
そのまま同じ対応になるとは限りません。
まずは現在の状況を整理し、
ご家庭に合った方法を考えることが大切です。
元気なうちの遺言作成が大きな意味を持つケースです。
子どものいないご夫婦から、
「自分が亡くなったら、財産は全部配偶者に行くと思っていた」
というお話を伺うことがあります。
しかし実際には、
子どもがいない場合でも、
ご両親が存命であればご両親、
ご両親がすでに亡くなっている場合には
兄弟姉妹などが相続人になる可能性があります。
そのため、
配偶者にできるだけ多く財産を残したい場合には、
元気なうちに遺言作成を検討する意味が大きいケース
といえます。
例えば夫が亡くなり、
妻と夫の兄弟姉妹が相続人になった場合には、
妻だけで相続手続きを完了できない場面があります。
預貯金や不動産について、
法定相続分とは異なる分け方をするのであれば、
相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。
普段ほとんど交流のない兄弟姉妹や、
場合によっては甥・姪と連絡を取る必要が生じることもあります。
「配偶者に残したかった」という本人の思いがあっても、
遺言がなければ、その思いだけで相続手続きを進めることはできません。
明確にしておくことができます
ご本人が元気なうちであれば、
公正証書遺言などによって、
「自分の財産を誰に残したいのか」
を明確にしておくことができます。
子どものいないご夫婦では、
「自分が亡くなった後も、配偶者が今の生活を続けられるようにしたい」
という希望を持たれる方も多くいます。
そのような場合には、
財産内容やご家族の状況を確認したうえで、
配偶者への承継を意識した遺言作成を検討する価値があります。
遺留分とは、
一定の相続人に法律上保障されている最低限の取り分です。
しかし、
兄弟姉妹には遺留分がありません。
そのため、
ご両親などがすでに亡くなっており、
将来、配偶者と兄弟姉妹が相続人になるケースでは、
遺言によって配偶者へ財産を残すことが
非常に有効な場合があります。
ただし、
ご両親など直系尊属が相続人となる場合には、
遺留分への配慮が必要になります。
ご夫婦が長年暮らしてきた自宅が
主な財産になっているケースも少なくありません。
遺言がないまま相続が発生し、
配偶者と他の親族が自宅の相続に関わることになると、
将来の名義や住み続けることについて
検討が必要になる場合があります。
「残された配偶者に自宅を残したい」
という希望が明確なのであれば、
元気なうちにその意思を形にしておくことが大切です。
配偶者のために遺言を作成しても、
将来その遺言に基づいて
金融機関や不動産などの手続きを進める必要があります。
特に残された配偶者も高齢である場合には、
相続手続きをすべて一人で進めることが
大きな負担になることがあります。
そのため、
遺言作成とあわせて、専門家を遺言執行者として指定しておく
こともおすすめしています。
すでに相続が発生している場合には、
相続人調査や戸籍収集、
遺産分割協議書の作成など、
現在必要な相続手続きを整理します。
まだご夫婦とも元気な段階であれば、
家族関係や財産を確認したうえで、
公正証書遺言の作成や遺言執行者の指定など、
将来に備える方法を一緒に検討します。
相続が起きてから考えることと、
起きる前だからできることを分けて整理する
ことが大切です。
一度相続の形を確認しておくことをおすすめします
今すぐ何かをしなければならないとは限りません。
ただ、
「自分が亡くなったら誰が相続人になるのか」
「配偶者へどのように財産を残したいのか」
を確認しておくだけでも、
今後必要な準備が見えやすくなります。
将来の相続人への影響まで考えて遺言を設計します。
「長年自分の生活を支えてくれた子に多く残したい」
「同居している子に自宅を残したい」
「障がいや生活上の不安がある子に厚く残したい」
など、
財産の分け方について特別な希望があるケースは少なくありません。
遺言を作成することで、
法定相続分とは異なる形で財産の承継先や割合を定める
ことができます。
ただし、
ご本人の希望だけをそのまま文章にすればよいというわけではなく、
遺留分や相続人間の関係、
実際の財産内容まで確認しておくことが大切です。
ご本人が生前に
「この家は長男に残したい」
「この子には多めに渡したい」
と家族へ伝えていたとしても、
その希望だけで相続手続きが決まるわけではありません。
遺言がない場合には、
相続人全員で遺産分割協議を行い、
財産の分け方を決めることになります。
その結果、
ご本人が考えていた分け方と、
実際の遺産分割が異なることもあります。
配偶者や子どもなど一定の相続人には、
法律上保障された最低限の取り分である
遺留分
があります。
例えば、
子どもが複数いるにもかかわらず、
一人の子にほとんどすべての財産を残す遺言を作成した場合、
他の子が遺留分侵害額請求を行う可能性があります。
遺言そのものが直ちに無効になるわけではありませんが、
将来、財産を取得した方が金銭の支払いを求められる可能性があります。
そのため、
ご本人の希望を尊重しながら、
遺留分を含めて将来どのようなことが起こり得るかを確認したうえで
遺言内容を考えること
が重要です。
例えば、
自宅不動産と預貯金がある場合、
単純に「長男に6割、次男に4割」と書くだけでは、
実際にどの財産を誰が取得するのかが分かりにくくなる場合があります。
また、不動産を一人に残す一方で、
他の相続人へ渡せる現金が少ない場合には、
遺留分への対応が難しくなることもあります。
そのため遺言作成では、
現在の財産額だけでなく、
不動産・預貯金などの財産構成まで確認
しておくことが大切です。
財産の取得割合に差がある遺言を見た相続人は、
「なぜ自分は少ないのだろう」
と感じるかもしれません。
そこで、
遺言の
付言事項
に、
財産の分け方を決めた理由や、
ご家族への感謝・思いを記しておく方法があります。
付言事項そのものに財産承継を強制する法的効力があるわけではありません。
しかし、
ご本人がどのような考えでこの遺言を作ったのかを、
残されたご家族が理解する助け
になることがあります。
遺言内容に大きな差がある場合、
財産を多く受け取る相続人本人が
他の相続人へ説明しながら手続きを進めることは、
心理的にも負担になることがあります。
また、実際の相続手続きでは、
金融機関や役所への対応、
相続人への通知、
財産の整理など専門的な実務も必要です。
そのため当事務所では、
特定の方に財産を多く残す場合にも、
相続実務に詳しい専門家を遺言執行者として指定しておくこと
をおすすめしています。
「この子に多く財産を残したい」
というご本人のお気持ちは、
遺言作成を考える重要な出発点です。
当事務所では、
その希望をただ文章にするのではなく、
相続人の範囲、
遺留分、
財産構成、
予備的な指定、
遺言執行者などを確認しながら、
将来実際に相続が始まったときに機能する遺言
となるよう原案を整理します。
一緒に整理していきます
最初から財産の割合を決めておく必要はありません。
なぜその方に多く残したいのか、
他のご家族についてどう考えているのかを伺いながら、
ご本人の希望に合った方法を一緒に考えます。
両方の関係を考えながら相続・遺言を整理する必要があります。
再婚されている方から、
「前の配偶者とは離婚しているので、
前婚の子はもう相続に関係しないと思っていた」
というご相談を受けることがあります。
しかし、
離婚によって親子関係がなくなるわけではありません。
前婚のお子さんも、
現在の配偶者との間のお子さんと同じように、
原則として相続人になります。
そのため再婚家庭では、
ご本人が亡くなった後に
初めて相続人同士が連絡を取り合うことになるケースもあり、
元気なうちの準備が特に重要です。
遺言がないまま相続が発生すると、
財産の分け方について
相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。
その中には、
現在の配偶者や現在のご家族だけでなく、
前婚のお子さんも含まれます。
普段交流がない場合でも、
相続手続きのために連絡を取らなければならないことがあります。
ご本人が生前に考えていた財産の分け方が、
そのまま実現するとは限りません。
具体的に残しておくことができます
公正証書遺言などを作成しておけば、
現在の配偶者、
現在の配偶者とのお子さん、
前婚のお子さんなどについて、
誰にどの財産をどのように残したいのか
を明確にしておくことができます。
例えば、
現在の配偶者には自宅を残し、
前婚のお子さんには預貯金の一部を残すなど、
財産内容に応じて具体的に整理することができます。
大切なのは、
単純に「誰かを外す」という考え方ではなく、
ご本人が家族それぞれについてどう考えているのかを
丁寧に整理することです。
子どもには、
一定の範囲で法律上保障された最低限の取り分である
遺留分
があります。
これは、
前婚のお子さんであっても変わりません。
例えば、
現在の配偶者や現在の家族に
ほとんどすべての財産を残す遺言を作成した場合には、
前婚のお子さんから遺留分侵害額請求が行われる可能性があります。
そのため、
現在の家族を守りたいという希望と、
前婚のお子さんの遺留分をどう考えるか
をあわせて検討することが重要です。
再婚家庭では、
ご本人名義の自宅に
現在の配偶者が住んでいることもあります。
ご本人が亡くなった後も
現在の配偶者にそのまま住み続けてもらいたいのであれば、
自宅を誰に承継させるのかを
元気なうちに考えておくことが重要です。
不動産は預貯金のように簡単に分けることができないため、
自宅とその他の財産をどう組み合わせるか
まで確認して遺言を設計します。
再婚家庭では、
財産の分け方だけを見た相続人が、
ご本人の意図を十分に理解できないことがあります。
そのような場合には、
遺言の
付言事項
に、
なぜこの分け方にしたのか、
現在の配偶者や前婚のお子さんへ
どのような思いを持っているのかを記す方法があります。
付言事項そのものに
財産承継を強制する法的効力があるわけではありませんが、
ご本人の考えを残されたご家族へ伝える助け
になることがあります。
ご本人が亡くなった後、
現在の配偶者と前婚のお子さんとの間で、
金融機関の手続きや財産の引渡しを進めなければならないことがあります。
普段交流の少ない相続人同士が
手続きを進めることは、
心理的にも負担になる場合があります。
そのため当事務所では、
再婚・前婚のお子さんがいるケースでは、
相続実務に詳しい専門家を遺言執行者として指定しておくこと
もおすすめしています。
専門家が遺言内容に基づいて手続きを進めることで、
相続人の一人に負担を集中させにくくなります。
再婚・前婚のお子さんがいる場合、
最初から遺言の文章だけを考えるのではなく、
まず現在の家族関係を正確に整理することが大切です。
当事務所では、
推定相続人、
財産内容、
現在の配偶者の生活、
前婚のお子さんへの考え、
遺留分などを確認したうえで、
ご本人の希望と将来の相続手続きの両方を見ながら
公正証書遺言の原案を整理
します。
元気なうちに一度整理しておきましょう
必ず特別な手続きをしなければならない、
ということではありません。
ただ、
「自分が亡くなったら誰が相続人になるのか」
「現在の配偶者へ何を残したいのか」
「前婚の子についてどう考えているのか」
を整理しておくことで、
必要な準備が見えやすくなります。
ただし、遺留分があるから遺言が無意味になるわけではありません。
「遺言を作れば、自分の希望どおりに全部決められる」
と考える方もいれば、
反対に
「遺留分があるなら遺言を作っても意味がない」
と思っている方もいます。
実際には、
遺言によって財産の承継先を指定することと、
一定の相続人に認められる遺留分は、
別の問題として整理する必要があります。
そのため、
ご本人の希望を実現しながら、
将来の遺留分問題も見据えて遺言内容を考えることが大切です。
遺留分は、
すべての相続人に認められているわけではありません。
一般に、
配偶者、子どもなどの直系卑属、
父母などの直系尊属には遺留分があります。
一方で、
兄弟姉妹には遺留分がありません。
そのため、
誰が相続人になるのかによって、
遺言作成時に考えるべき内容も変わります。
例えば、
「長男にすべての財産を相続させる」
という遺言があり、
他の子どもの遺留分を侵害していたとしても、
そのことだけで遺言全体が当然に無効になるわけではありません。
遺留分を侵害された相続人が、
遺留分侵害額請求を行うかどうかは別の問題です。
つまり、
「遺留分があるから、必ず法定相続分どおりに分けなければならない」
わけではありません。
ご本人の希望をどこまで優先するのか、
将来の請求リスクをどう考えるのかを整理したうえで、
遺言内容を決めることが重要です。
すでに相続が発生していて、
遺留分侵害額請求をする・されたという段階では、
当事者間の権利関係や交渉が問題になる場合があります。
そのようなケースでは、
行政書士業務の範囲を超える場合がありますので、
必要に応じて
弁護士など適切な専門家への相談をご案内
します。
一方で、
遺言内容の確認、
相続人関係の整理、
戸籍収集など、
現在の状況を把握するために必要な部分については
当事務所でお手伝いできる場合があります。
遺言内容を設計できます
遺言作成前であれば、
推定相続人と財産内容を確認し、
遺留分がどの程度問題になり得るのかを見ながら
遺言内容を考えることができます。
例えば、
特定の方に不動産を残しつつ、
他の相続人には預貯金を残すなど、
財産の種類や金額を考慮しながらバランスを取る
方法もあります。
もちろん、
遺留分を完全に避けることだけが目的ではありません。
ご本人がなぜその分け方を希望しているのかを確認し、
その意思をできるだけ尊重したうえで、
将来起こり得る問題も説明しながら内容を整理します。
ある相続人に多く財産を残し、
他の相続人には少なくする場合、
残されたご家族がその理由を理解できないことがあります。
そこで、
遺言の
付言事項
に、
なぜそのような分け方にしたのか、
ご家族へどのような思いを持っているのかを
記しておく方法があります。
付言事項によって遺留分請求を禁止することはできませんが、
ご本人の考えを家族へ伝え、遺言内容への理解を得るための一つの方法
になります。
遺言の内容によっては、
財産を多く取得する相続人が、
他の相続人へ説明しながら手続きを進めることになる場合があります。
これは、手続き面だけでなく、
心理的にも大きな負担になることがあります。
そのため当事務所では、
遺留分が問題になり得るような遺言を作成する場合にも、
相続実務に詳しい専門家を遺言執行者として指定しておくこと
をおすすめしています。
専門家が手続きを進めることで、
相続人の一人だけに実務上の負担を集中させにくくなります。
遺留分の問題があるからといって、
ご本人の希望を最初からあきらめる必要はありません。
まず、
誰が相続人になるのか、
どの程度の財産があるのか、
誰にどの財産を残したいのかを確認します。
当事務所では、
ご本人の意思を出発点に、
遺留分や将来の相続手続きまで確認しながら
公正証書遺言の原案を整理
します。
ご本人に合った分け方を考えます
遺言を作る目的は、
法律上のリスクをゼロにすることだけではありません。
ご本人がどのように財産を残したいのかを明確にし、
将来その意思をできるだけ円滑に実現できるよう
準備しておくことが大切です。
相続人である以上、無視して手続きを進めることはできません。
相続が始まってから、
「兄弟と何十年も連絡を取っていない」
「前婚の子の連絡先が分からない」
「甥や姪がどこに住んでいるのか分からない」
といった問題が出てくることがあります。
しかし、その方が法律上の相続人である以上、
連絡が取れないからといって、
その相続人を除外して遺産分割を進めることはできません。
まずは誰が相続人なのかを正確に確認し、
その方の所在や連絡方法を整理する必要があります。
遺言がなく、
法定相続分とは異なる形で財産を分ける場合には、
原則として相続人全員で遺産分割協議を行います。
そのため、
相続人の一人だけ所在が分からない場合でも、
その方を抜きにして協議を成立させることはできません。
不動産や金融機関の相続手続きも、
遺産分割協議書など必要書類が整わなければ
進めにくくなる場合があります。
「連絡が取れない相続人が一人いるだけ」で、
相続手続き全体が止まってしまうこともあります。
相続人の範囲が分からない場合には、
被相続人の出生から死亡までの戸籍などを確認し、
法律上の相続人を特定します。
特に兄弟姉妹相続や、
前婚のお子さんがいるケースでは、
戸籍をたどって初めて相続人の存在が分かることもあります。
当事務所では、
戸籍収集・相続人調査・相続関係の整理
を行い、
まず「誰と相続手続きを進める必要があるのか」を明確にします。
戸籍上の相続関係を確認した後、
戸籍の附票などを利用して
現在の住所につながる情報を確認できる場合があります。
「電話番号を知らない」
「何十年も会っていない」
という場合でも、
まず公的な記録から相続人の所在を確認していく
ことが基本になります。
ただし、実際の連絡や協議の進め方については、
相続人間の関係や事情に応じて慎重に考える必要があります。
相続人の所在を確認できても、
遺産の分け方について意見が対立したり、
相手方との交渉が必要になったりすることがあります。
そのような紛争性のあるケースでは、
行政書士業務の範囲を超えることがありますので、
必要に応じて
弁護士など適切な専門家への相談をご案内
します。
当事務所では、
まず相続人関係や必要書類を整理し、
現在どの段階にあるのかを確認するところからお手伝いします。
減らせる場合があります
将来、
疎遠な親族や連絡先の分からない親族が
相続人になる可能性があることが分かっている場合には、
元気なうちに公正証書遺言を作成しておくことが
有効なケースがあります。
遺言で財産の承継先を明確にしておけば、
遺言がない場合に比べて、
相続開始後に相続人全員で財産の分け方を決める必要を
減らせることがあります。
「将来、誰と遺産分割協議をしなければならないのか」
という視点から遺言を考える
ことも大切です。
子どもがおらず、
配偶者と兄弟姉妹が将来相続人になる可能性があるものの、
兄弟姉妹とは長年連絡を取っていない。
このような場合、
遺言がなければ、
ご本人が亡くなった後に配偶者が
兄弟姉妹や場合によっては甥・姪と連絡を取り、
相続手続きを進めなければならないことがあります。
一方、
元気なうちに遺言で配偶者への財産承継を明確にしておけば、
残された配偶者の相続手続きの負担を大きく減らせる場合があります。
遺言を作成しても、
相続開始後には相続人への通知や
金融機関などの手続きを行う必要があります。
疎遠な相続人がいる場合、
ご家族の一人がその対応を担うことは
心理的にも大きな負担になりがちです。
そのため当事務所では、
相続実務に詳しい専門家を遺言執行者として指定しておくこと
もおすすめしています。
専門家が中心となって手続きを進めることで、
ご家族が疎遠な親族との相続実務を直接抱え込む負担を
減らせる場合があります。
ご自身で相続人全員を探してから
相談する必要はありません。
当事務所では、
戸籍収集や相続人調査を行い、
まず法律上の相続人を整理します。
そのうえで、
現在必要となる相続手続きを確認し、
当事務所で対応できる部分と、
他の専門家への相談が必要な部分を分けてご案内
します。
相続が始まる前に確認しておく価値があります
すでに相続が発生している場合は、
相続人調査から始めることができます。
まだご本人が元気であれば、
将来誰が相続人になるのかを確認し、
遺言作成などで備えることもできます。
相続後の分け方と、生前の準備を一緒に考えます。
相続財産の大部分が自宅や土地などの不動産で、
預貯金がそれほど多くないというケースは少なくありません。
例えば子どもが二人いても、
一つの自宅をそのまま二つに分けることはできません。
そのため、
誰が不動産を取得するのか、
他の相続人にはどのように財産を分けるのか
を考える必要があります。
例えば兄弟二人で、
自宅を2分の1ずつ共有する形にすれば、
一見すると公平に見えます。
しかし共有不動産は、
将来の売却、利用方法、
管理や修繕などについて
共有者同士で調整しなければならない場面が増えます。
さらに、
共有者の一人が亡くなると、
その持分が次の世代へ相続され、
時間の経過とともに共有者が増えて関係が複雑になる
こともあります。
そのため、
不動産を共有にする場合には、
将来まで見据えて慎重に判断することをおすすめします。
遺言がなく相続が発生した場合には、
相続人全員で不動産を誰が取得するのかを
遺産分割協議で決めることになります。
当事務所では、
戸籍収集、相続人調査、
財産内容の整理、
遺産分割協議書の作成など、
行政書士業務の範囲で必要な手続きを支援します。
不動産の相続登記については、
司法書士など適切な専門家につなぎながら手続きを整理
します。
明確にしておくことができます
ご本人が元気なうちであれば、
公正証書遺言などによって
「自宅は長男に相続させる」
といった形で、
不動産の承継先を明確にしておくことができます。
これにより、
相続開始後に
「誰が自宅を取得するのか」を
相続人全員で一から話し合う必要を減らせる場合があります。
ただし、
不動産だけを一人に残した結果、
他の相続人の遺留分を侵害しないか
などもあわせて確認する必要があります。
不動産の承継先を決めるときは、
その不動産だけを見るのではなく、
預貯金や有価証券など、
その他の財産も含めて考えることが重要です。
例えば、
自宅を一人の子に残し、
他の子には預貯金を多めに残すなど、
財産全体でバランスを考える方法があります。
「誰に何割」だけではなく、
「どの財産を誰に残すか」まで具体的に考える
ことが、
不動産を含む遺言では特に大切です。
遺言を作成した後も、
ご本人が亡くなれば
金融機関や不動産に関する相続手続きを進める必要があります。
相続財産に不動産が含まれる場合は、
登記を担当する司法書士との連携など、
他の専門家との調整が必要になることもあります。
そのため当事務所では、
相続実務に詳しい専門家を遺言執行者として指定しておくこと
もおすすめしています。
遺言作成時から財産内容を把握している専門家が
将来の手続きを整理することで、
ご家族の負担を減らすことにつながります。
「自宅をどうするか」は重要ですが、
相続ではそれだけを切り離して考えることはできません。
相続人は誰なのか、
預貯金はいくらあるのか、
誰が今後自宅を利用するのか、
他の相続人への配慮は必要なのかなどを確認しながら、
全体を整理します。
当事務所では、
相続が発生した後の遺産分割と、
元気なうちの遺言作成の両方から
ご家庭に合った方法を考えます。
元気なうちに「誰に残すか」を考えておく価値があります
必ず今すぐ遺言を作らなければならない、
ということではありません。
ただ、
不動産は簡単に分けにくい財産だからこそ、
将来どのような形で承継したいのかを
一度整理しておくことをおすすめします。
その内容を実際に実行することは別の問題です。
公正証書遺言などを作成して、
誰にどの財産を残すかを決めていても、
ご本人が亡くなった後には
実際の相続手続きが必要です。
預貯金の解約・払戻し、
財産の確認、
相続人への通知、
不動産に関する手続きなど、
遺言内容を現実の財産承継へ移していかなければなりません。
そのため、
遺言を作るときには
「誰に財産を残すか」だけでなく
「誰がその遺言を実行するのか」まで考えておく
ことが大切です。
「遺言執行者」です
遺言執行者は、
遺言内容を実現するために必要な手続きを進める役割を担います。
遺言の内容によって、
必要となる手続きは異なりますが、
相続人への通知や財産の確認、
金融機関への手続きなど、
実際の相続実務を進めていくことになります。
遺言の中で遺言執行者を指定しておけば、
相続開始後に「誰が中心となって動くのか」が明確になります。
相続実務に詳しい専門家をおすすめします
ご家族を遺言執行者に指定することもできます。
しかし実際の相続手続きは、
書類を一枚提出すれば終わるものではありません。
役所や金融機関とのやり取り、
財産の確認、
相続人への通知、
他の専門家との連携など、
時間と専門知識が必要になる場面があります。
そのため当事務所では、
ご家族の事務的・時間的・心理的な負担を減らすためにも、
相続実務に詳しい専門家を遺言執行者として指定すること
をおすすめしています。
すでに遺言を作成している場合でも、
遺言執行者を指定しているか、
その方が現在も適任なのかを確認してみる価値があります。
遺言を作成してから長い年月が経過している場合には、
ご家族の状況、
財産内容、
遺言執行者に指定した方の年齢や状況が
変わっていることもあります。
遺言は一度作ったら終わりではなく、
現在の状況に合っているかを見直すことも大切です。
一つの流れとして準備できます
遺言作成の段階で、
将来どのような相続手続きが必要になるのかを想定し、
遺言執行者まで指定しておけば、
ご本人の死後の流れをより明確にできます。
つまり、
「誰に財産を残すか」と
「誰がその財産を届けるのか」
を一緒に決めておく
ということです。
ご家族へできるだけ判断や手続きの負担を残したくない方には、
特に検討していただきたい準備です。
当事務所では、
公正証書遺言の原案作成から
将来の遺言執行まで一貫してご相談いただけます。
遺言作成の段階から、
ご本人の家族関係、
財産内容、
遺言を作成した理由やご希望を把握したうえで、
将来その内容を実行することができます。
「一緒に遺言を作った専門家が、
将来その遺言を実行する」
という形にすることができます。
ご家族へ相続手続きをできるだけ残したくない方には、
遺言作成の段階から遺言執行者についてもご説明します。
相続が始まる前から考えることができます
ここまでご紹介したように、
子どものいないご夫婦、
再婚家庭、
不動産が主な財産の場合、
疎遠な相続人がいる場合など、
相続が始まってから問題になることの中には、
元気なうちに準備できるものもあります。
一方で、
すでに相続が発生している場合には、
今できる手続きを整理して進めればよいのです。
大切なのは、
「相続か遺言か」を自分で決めることではなく、
今の状況に何が必要なのかを確認することです。
